転職時の健康診断　費用は誰が？

転職活動の努力が実り、希望する企業から内定が出た際、「健康診断」の提出を求められるかもしれません。なぜ、転職の際に健康診断が必要なのでしょうか。今回は、転職時に必要とされる「健康診断」についての素朴な疑問を解決していきましょう。

健康診断は転職時になぜ必要？

健康診断の結果が必要になるのは、「労働安全衛生規則第４３条」に規定されているからです。

雇用者は「雇入れ時」に加え、年に1回の健康診断を行う義務があります。少々面倒くさいですが、必要な検査ですので、健康診断を受けるようにしてください。

企業は単に義務として求めているだけではなく、運転が必要な事業所などでは職務への適性を健康診断で見ることもあります。

一般的には、内定が出てから入社するまでの間に健康診断を受けます。企業が診断書の提出が求められます。場所は特別な指定がない限りは、近所のクリニックなどで大丈夫です。

健康診断書の有効期限は３ヶ月のため、もし、前の職場で３ヶ月以内に健康診断を受けているのであれば、その結果を使うことも可能です。

企業の規模や状況によっては入社後に健康診断を受けるケースもあります。

健康診断受ける際の費用の負担については、各企業の判断によって異なります。費用負担については決まりはありませんので、自己負担の場合も多々あります。受診場所によって異なりますが、目安は1万円前後だといわれています。

会社が負担することになっていて、一旦自分で建て替える場合は会社名義の領収書の受け取りを忘れないようにしましょう。

雇い入れ時の健康診断は、以下の検査項目が必要とされています。

・既往歴（過去の病歴や手術歴、治療中の病気）及び業務歴

・自覚症状や他覚症状の有無

・身長、体重、腹囲、視力、聴力

・胸部エックス線検査

・血圧測定

・尿検査（尿中の糖および蛋白の有無）

・貧血検査（赤血球数、血色素量）

・肝機能検査（GOT、GPT、y-GTP）

・血中糖質検査（LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド）

・血糖検査

・心電図検査

・その他、企業が指定する項目

せっかく内定をもらったのに、入社前に提出した健康診断結果のために内定が取り消しに…。

そんな心配もあるかと思いますが、健康診断の結果は基本的に採用に影響しないとされています。

この場合の健康診断は、採用するスタッフの適正配置や健康管理のために行うものであって、採用の可否の参考にするためのものではないからです。

ただ、ドライバーの仕事するのに、健康上運転に悪影響がることが分かった場合など、直接業務に支障がでるケースでは不採用になることがあります。

ここまで見てきたように、健康診断結果提出は、雇用主が義務付けられている大切な手続きです。転職のためには必要な手続きですので、かかる費用も必要経費として捉えましょう。

また、新しく入る会社に迷惑をかけないよう、健康診断の予約や検診後に結果が出るまでの時間など、しっかりと逆算しながら準備を進めることが大切です。内定が出たからと安心せず、速やかな対応を心がけましょう。