転職するにしても、どういうやり方ではじめて、どのように進めたらいいのか。求人情報を探してとりあえず電話を。という人も多いのでは。今回は、一人で行き当たりばったりで転職活動を進めるより、効率的で効果的な「転職エージェント」について、活用方法と利用する際に知っておきたい基本のポイントを見ていきましょう。
目次
そもそも転職エージェントとは?
転職エージェントは、人材を募集している企業に対し、採用条件、スキルや経験など求める人材の要件などを確認して、その情報を所有しています。
一方で、仕事を探している人に対しては、希望する条件を確認し、保有している求人情報の中から適切な案件を紹介します。その後、入社に向けてさまざまなサポートを行なっていきます。
登録すると、担当のアドバイザーが付いてくれて、仕事探しから入社対策まで個別のバックアップをしてくれます。
転職エージェントは、紹介した人材が入社した際に企業側から仲介手数料を受け取る仕組みのため、求職者側の利用は無料です。だからこそ、親身になって入社まで導いてくれる存在になるんですね。
転職エージェント サービス利用の流れ
サービス社によって細かな違いはあるが、サービスを利用する主な流れをご紹介。
サービス利用の申し込みをする
WEBサイトの申込フォームに必要事項を打ち込みます。希望する職種や勤務地、年収、転職したいタイミングなどです。
サービス社によっては、転職サイトの運営をしている企業もあるため、エージェントの利用と同時に転職サイトへの登録もできます。
サポートに関する連絡が来る
登録された情報を見て、エージェントは保有している求人情報を確認。電話やメールなどで連絡がきます。今後の面談などのサポートの予定などを確認します。
希望する内容や求人の状況によってはサービスが受けられない場合もあります。
アドバイザーとの面談を実施
エージェントに所属するアドバイザーと面談、相談をします。方法は実際に会って話しをする面談と、オンラインや電話を使ってのヒアリングがあります。
ここで、これまでの経歴や希望する今後のキャリアなど細かな確認を行なっていきます。これまでの経歴では、自分では気づいていない強みや能力を拾い上げてくれるのもエージェントの良さです。当たり前だと思っていたスキルも、企業側からしたら即戦力の魅力的な条件だということも。
今後については、「なんのために転職するのか」「転職した後の目的」などを一緒に確認していきます。100%希望通りの企業に出会うのはなかなか難しいため、「自分の中で絶対に譲れない条件」などもここで洗い出していきます。
条件や目的などの整理ができたら、転職希望時期をもとに、採用試験に向けてのスケジュールも立てていきます。現在在職している会社の都合なども考え、転職活動に使える時間も考慮に入れましょう。
求人の紹介
条件や大まかなスケジュールなどが決まったところで、エージェントが保有する求人情報の紹介が始まります。条件を元にピックアップされているので、自分で探すよりも効率的です。内容にもよりますが数件〜20件くらいの紹介が多いようです。
ここでのポイントは、紹介してもらえる求人は非公開のものもあり、実際の会社の雰囲気や、最新の業界事情なども教えてもらえることです。
応募書類の添削をしてもらう
なんとなくこれまでの経歴を並べた履歴書では、採用担当者の評価を得ることはできません。転職エージェントのアドバイザーは、企業側の気持ちをよく知っているため、担当者の心にささる書き方や押し出すポイントを熟知しています。自分が準備した履歴書や職務経歴書などを添削してもらい、書類選考を突破するための準備を進めます。
サービスによっては、面接対策も行っているため、押さえておきたいマナーや、希望する企業に対して有効な受け答えの練習が可能です。
希望する企業に応募。書類選考や面接を受ける
紹介してもらった企業の中から、自分の希望に当てはまるところがあれば、応募します。その後の面接日程などの調整は転職エージェント側で行ってくれることが多く、自分のスケジュールと企業側の日程をうまく合わせてくれます。
転職エージェントを初めて使う際は、「紹介してもらった企業は受けないといけない」と不安に思う人もいますが、実際はそんなことはなく、自分にマッチするものがないと思えば、応募しなくても問題ありません。むしろ何となく流れで応募してしまう方が、自分のキャリアにとって危険です。
内定、入社、退職準備
内定が出た後の入社までのスケジュール調整などもサポートしてもらえます。また、給与や労働条件など自分では交渉しづらい部分も転職エージェントが間に入ってくれます。そのため、自分は在職している職場の退職準備に集中することができます。
サービスによっては、退職のサポートも受けることができます。
転職エージェントと転職サイトの違いは?
インターネット上には、多くの求人案件を掲載している転職サイトが存在しますが、転職エージェントとの違いは何でしょう。同じ転職活動ですが、大きな違いはその進め方にあります。
転職サイトは自分で求人を検索するだけなので、自分のペースで気軽に活動が進められます。転職エージェントでは担当者がついてくれて一緒に活動を進めるので、しっかりと前に進めますが、自分だけのペースでとなる少し難し場面もあります。
求人の案件では、サイト上では一般公開されているものばかりですが、転職エージェントは非公開の案件を多く持っています。他の転職希望者が持っていない案件に出会えるため、選択肢としては圧倒的に有利です。
ただ、エージェントは企業と求職者の橋渡しを行う存在なので、求職者が応募したいと言っても、スキルや能力などが企業側が求めるものに追いついていない場合は応募できないこともあります。
エージェントでは、応募に至る前にも書類添削や面接対策などのサポートが受けられるので、自己PRに不安がある人や、確実に転職活動を進めたい人などは転職エージェントを使う方が良いでしょう。
転職エージェントの強み
求人案件の選択肢の多さ
転職エージェントでは一般には出ていない非公開の求人を扱っています。
しかもその数は一般公開されている転職サイト上の案件の2〜3倍。求人内容を一般公開すると事業の戦略が知られてしまうことを嫌って非公開でエージェントに依頼する企業があるためです。
また、給与やポジションなどが好条件、ハイクラスの求人では応募が殺到してしまい、条件に至らない希望者の対応にも追われてしまうためにエージェントに間に入ってもらうケースも多くあります。
自分の状況を一緒に整理
「在職中の企業に不満があるから転職します」という素直な動機だけでは転職はうまくいきません。自分にとってはもちろん、新しく入る企業にとってもメリットが必要です。新しい職場で自分はどんな役に立てるのか、どんなスキルが活かせるのか。自らのキャリアの強みというのは、なかなか本人では気付かないものです。
希望する企業に対して、キャリアのどんな部分を強調すべきか、もエージェントでは熟知しているため、企業を知るのと同時に「自分を知る」という作業でも転職エージェントは強い力を発揮します。
間に入ってくれるアドバイザーが自分のことを知ってくれるため、アドバイザーから企業に対しての推薦や後押しも大きな力になります。
サポートで書類、面接選考通過率アップ
新卒の就職活動ではないので、どこに対しても同じような書類、受け答えではうまくいきません。(もちろん、新卒ならそれでOKということはありませんが…)。
その企業に対して有効な履歴書の書き方、面接での受け答えを事前にアドバイスしてもらえるため、選考通過率が変わってきます。
プロならではの視点で、適切な文量、内容をアドバイスしてもらえます。
働きながらの転職活動が楽にできる
次のキャリアのために時間を使って免許や資格を取るのなら別ですが、金銭的なリスクを考えると一般的には在職中に転職活動を行う方がおすすめです。
ただ、そうなると現在の仕事をしながら、転職活動の細かいスケジュール管理は大変になります。1社だけの対応ならまだしも、複数社を相手に応募作業や面接日程調整などを行なっていれば、どこかで事務的なミスが生じる危険性も高まります。
転職エージェントではそういった手続きや管理を代行してくれるため、仕事に集中しながら密度の濃い転職活動が進められます。
無職・ニートでも転職エージェントを活用すべき理由【40代の仕事】まとめ 伴走型のサポートで充実した転職活動を
サイトで求人情報を検索して一人で転職活動を進めるより、転職のプロと一緒に活動する方が有利なのは間違いありません。しかも無料なので、使わない手はありません。
ただ、アドバイザーも同じ人間。自分と相性が合う合わないも出てきます。1社に絞って活動するのではなく、2〜3社に登録して、面談の結果メインのエージェントを判断するの良いでしょう。
また、エージェントによって主に扱っている対象の年齢、年収が異なる場合があります。当てはまらないところで登録、面談をしても「紹介できる求人はありません」と、時間を無駄にしてしまうこともあります。自分の年代、希望する年収によってエージェントを探すことも大切です。
転職エージェントは企業、求職者をwin-winの関係に導いて成り立つビジネスです。目標に向かって一緒に走ってくれるアドバイザーと、充実した転職活動を進めましょう。