転職活動をする際に、履歴書を久しぶりに書くという人も多いでしょう。何となく分かっているつもりでも、記入に関する注意点を再度確認しておきましょう。
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基本ルールはしっかりと押さえる
学歴・職歴欄には入学、卒業、入社、退職の正確な年月を記入。雇用形態もきちんと記入しましょう。特に年月については、和暦や西暦がぐちゃぐちゃになったり、計算がずれて辻褄があっていなかったりすることもあるので、しっかりと確認を。
履歴書は手書きかパソコン作成か問題
「文字からその人の人柄を見て決めるんだ」などと強いこだわりを持っている担当者がいれば別ですが、特別指定がない限り、履歴書は手書きでもパソコン作成でも大きな差はありません。これで合否が別れてしまうということも滅多にないでしょう。
手書きは、人柄や字の綺麗さによって素養を伝える有効な手段ですが、一方で字によっては「癖が強くて読みづらい」というデメリッットも。自分の手書き文字がアピールにつながるという思いがあるののなら手書きで、効率的に活動したいと思うならパソコンで作る方法を選ぶのが良いでしょう。
手書きかどうかだけにこだわらず、企業が指定する、または好むフォーマットがある場合もありますので、「指定の履歴書フォーマットや書き方はありますか?」などと事前に質問するのも一つの手です。
学歴の書き方 ポイント
絶対というわけでありませんが、高校入学から書くのが一般的です。「平成○○年○月 ○○市立○○高等学校 入学」といったように、正確な年月、学校名を記入しましょう。大学も学部や学科を省略せず正確に。何を学んだかを伝えるためにも専攻がある場合はそれもしっかりと記入を。
「中退があるとカッコ悪いよな。触れなくてもいいかな…」という考えもよくありません。
“嘘”は絶対NGです。簡潔に「○○の事情により中途退学」とちゃんと書きましょう。
採用担当者や面接官は、学校や学んできた内容だけでなく、それと合わせて年月の流れも確認しています。そこで辻褄があってない箇所があると面接時に説明を求められることになります。「経歴をごまかした」と判断されるとあなたの印象は最悪です。
職歴の書き方 ポイント
学歴と同じく年月と会社名などを正確に。(株)や(有)といった省略もせず正確に。所属部署も略称を使わず正式な名前で記入しましょう。異動や昇格があればそれも記入していきます。加えて「法人営業に従事」「企画開発に従事」などと、自分のPRにつながる内容であれば、職務内容も簡潔に記入します。
契約社員などの場合は雇用形態も明記。「株式会社○○入社(契約社員として)」などといった形です。派遣の場合は、派遣元と派遣先を記入します。
社会人になった後にアルバイをしていた場合、短期のものはいちいち書かなくても良いですが、新しい職場にプラスになりそうなものは記入しましよう。
職歴が多い場合も きちんと記入を
在職期間が短い職場があったとしても正確に記入を。「転職回数が多いから適当なものをいくつか」と自分で判断せずにきちんとすべて書き込むことが大切です。信頼を失ったり、職歴詐称と言われないためにも正確な情報を伝えることが最も重要です。
当然、担当者は辞めた理由や背景を知りたいと考えますので、「一身上の都合により退職」「契約満了のため退職」というように理由も合わせて明記します。職歴の最後の部分が現在の職場(在職した状態で転職活動を行なっている)の場合「現在に至る」と記入。すでに辞める日が決まっている場合は「退職予定」と書きましょう。最後は右端に「以上」と書いて終わりです。
賞罰とは何か
「賞」は受賞・表彰歴。「罰」は刑法犯罪の有罪歴です。
履歴書の中には「賞罰」の欄があることがあります。もし使っている履歴書に賞罰欄がなければ、わざわざ触れなくてよいです。しかし、もし賞罰欄がある場合、賞罰があるのならきちんと記入を、なければ「なし」と記入する必要があります。
賞にはどんなレベルのことを記入する?
細かい規定はありませんが、全国・世界レベル、誰もが知っている賞、官公庁からの表彰などを記入するのが一般的です。あまり知られていない小規模な表彰や大会結果は、記入しない方が良いでしょう。もちろん、アピールにつながるものもたくさんあると思いますので、そういったものは趣味・特技の欄に記入したり、職歴の欄に加えるようにしましょう。
罰に書く内容は?
賞と同じく、罰に書く内容の明確な基準はありません。一般的には刑事罰を書く欄とされています。懲役や禁固刑、罰金刑などです。行政罰は書く必要はありません。
刑事罰が原則ですので、前の会社を懲戒解雇になったなどは書く必要ありません。また、刑事罰を受けても効力が消滅した前科・前歴については書く必要がなく、面接で答える義務もないとされています。懲役なら服役して、刑期が満了して10年以上経過、罰金なら支払い後5年以上経過したときです。
まとめ 履歴書からは仕事への考え方や姿勢も見える
履歴書はあなたの経歴を確認するものです。ただ、重要なのは通っていた学校や勤めていた会社の知名度や大きさではありません。転職となれば特に重要なのは職歴です。どんな規模、業種、職種で結果を残してきたか。どんなスキルを身につけ、力を発揮してきたか。そういった部分を自社の業務、求める人材像と照らし合わせながら、あなたの評価をしています。
そして担当者は、あなたが信頼できる人物かどうかも見ています。仕事に対してどんな考え方を持っているか、どんな姿勢で取り組んでいるかを質疑応答の中で探っています。
だからこそ履歴書にいい加減な部分があってはならないのです。関わっていない仕事に参加したように記載したり、勤続年数をいじったり、職歴をはぶいたり…。また、履歴書上で自分を大きく見せすぎたため、「経験あり」と書いていた業務が入社後にできなかった、ということも。
経験豊富な人事担当者は、1枚の履歴書からさまざまな情報を読み取ります。そして面接の受け答えからもあらゆる矛盾を感じ取ります。悪意はなくても、誤解が生じないように、履歴書ははぶくことなく全てを記入するようにしましょう。